コレガはPLCアダプタ発売の中止を
告知し、それに代わってテレビの同軸配線を使用するア
ンテナ用同軸ケーブルネットワークアダプタを新発売すると
発表した。
それらの相違点は一見 電灯線 を使うか、 アンテナ同軸線 を使うかだけの違いのようである。(暗号化の有無もあるが) しかしその違いが大きな意味を持つ。 なんのシールドもない電灯線ではなく、基本的には
シールドされている同軸ケーブルを用いるため、周囲へのノイズ拡散を防ぎ、またノイズの混入にも強いという点である。
しかし使用している周波数は 12~28MHz であり、いくらシールドがされているといっても短波帯の通信機器やラジオ受信には近傍では障害があるだろう。 しかもアンテナ分配機とアンテナの間にフィルターを挿入することが必須ではないので、テレビ用アンテナから僅かながら輻射されてしまうことも考えられる。
コレガがなぜPLCをやめて同軸ケーブルを使う方式に変えたか・・・ 理由は不明で
「諸般の事情により発売を中止」とだけあるが推測することは可能だ。
PLCは非常に多くの問題を抱えており係争中である。 企業としては非常にリスキーだと感じたのではないか。
しかし同軸ケーブルを使うアダプタにしても短波帯を使っている以上なんらかの問題は出てくるかもしれない。
追記: コレガはこのアダプターの販売一時中止を発表しました。
詳細は http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/20350.html
これに対して
c.Link という規格がある。c.LINKは、米Entropic Communicationsが開発した通信技術で、同軸ケーブルを利用して高速なネットワーク通信が可能な技術である。コレガのアダプタと同じく同軸ケーブルを使用するが、大きく異なるのはその使用周波数帯域である。c.LINKでは900MHz帯という
他のサービスが使用していない周波数帯域を用いる。これの意味することは他の通信や放送などと相互に干渉しないということである。当然同軸ケーブルを使用するためにノイズには強い。漏洩防止フィルタも必須である。
この c.Link ただいまモニター価格で提供されているようである。
詳細は
NTTネオメイト のページをご覧ください。
また
インプレス社によるレポートも参考になります。
このレポートによると
「1階のアンテナコネクタにアダプタを1台固定し、2階、3階の各部屋にあるアンテナコネクタでテストしてみたところ、若干のばらつきはあるものの、ほぼ80Mbps前後の速度で通信できた。」 とのこと。
PLCよりずっと安定して高速である。 PLCなんて不安定で今後どうなるか分からないものよりもずっとお勧めであるといえよう。